2014年06月26日

「自分達のサッカー」に勝利以上の価値はあったか

2014W杯ブラジル大会 グループC

日本がクイアバでコロンビアと対戦。

試合は、日本が1−4でコロンビアに敗れ1分け2敗となり
グループステージ敗退が決まった。

勝つしかなく追い込まれていた日本に対して
コロンビアは既にグループ突破を決めていたので
前の試合から8人もの選手を代えてきた。

日本 コロンビア フォーメーション

コロンビアは多くの控え選手を起用した事もあり
これまでの4ー2ー3ー1の布陣ではなく
本田をトップ下に置く日本の布陣に合わせるように
メヒアをアンカーに置いた4ー1ー4ー1システムで臨んできた。

こうする事によって日本の布陣とコロンビアの布陣は
がっちりと噛み合う事になるので、
コロンビアは日本の選手を捕まえておく事が可能になり
日本の選手は絶えずマークを背負う形になる。

コロンビアの守備

そして日本が足元へ縦パスを入れるところに厳しくマークをして
ボールを奪ったら攻守を入れ替えてカウンターを仕掛けるというのが
コロンビアの狙っていたところだと思う。

コロンビアの布陣変更によって
マークにギャップができない状態になっていたので
日本がボールを足元に付けようとする難しくなるが、
この日の前半序盤の日本はまず第一に
コロンビアディフェンスの背後へボールを供給して
大久保や岡崎を裏に走らせた。

大久保や岡崎を背後に走らせる事によって
コロンビアディフェンスは下がって対応しなければならなくなり
ディフェンスの位置を下げる事になるので、
コロンビアの最終ラインと2列目の間にはスペースができてくる。

そこにスペースができ始めれば
日本は足元でボールを受けやすくなるので
繋ぐ攻撃が機能しやすくなる。

ところが、その矢先に縦パスを入れたところで
岡崎がチャージされてボールロストしてカウンターをくらい
日本陣内にボールを運ばれてしまうと
今野がエリア内で相手選手を倒してPKを与えて失点したというのが
コロンビア先制までの流れであったように思う。


コロンビアは1点をリードすると
日本の突破口となりうる長友に対して
クアドラドに注意深くマークさせる事で蓋をすると、
自らディフェンスライン全体を下げる対応をする。

コロンビアが自らディフェンスラインの位置を下げる事で
背後にはスペースがなくなるので
日本は裏抜けを機能させることは難しくなるが、
代わってコロンビアディフェンスの前にはスペースができるので
日本はその前のスペースでボールを動かせるようになる。

コロンビアの守備2

ただし、コロンビアは日本の布陣に合わせた布陣を敷いているので
日本の選手に対してマークはピタリと付いており、
低い位置になりながらもやはりボールカットを狙って
奪ったらカウンターという展開に持ち込もうとする。

コロンビアのカウンターは縦に早く人数をかけず
基本は前線の4人で速攻に出てくるので、
日本はこのコロンビアのカウンターに対して
コロンビア陣内で潰す、
また自陣に運ばれたら粘り強く耐えるという事が求められた。

このカウンターをやり過ごす事ができると
コロンビアの前線の選手は戻るのが遅れるため
前に出ていった攻撃の選手と
リスク管理をする守備の選手で前後が分断され
コロンビアはグアリンがバランスを取る形での4ー2の守備になる。

そうするとカウンター返しという形で
日本がコロンビアの4ー2の守備を崩すという展開になる。

4−2の形で守備をするコロンビアは
サイドが中に絞って対応をするのでサイドは空いているものの、
日本は中央からサイドにボールを振るところで
コロンビアディフェンスに引っ掛かるなど
狭いスペースに閉じ込められるように対応され崩せない時間が続く、
そういう展開が繰り広げられる事が多かったように思う。

コロンビアの守備3

しかしながら、前半最後のプレーで本田がサイドに流れる事によって
コロンビアの選手をサイドに引っ張って入れたクロスに
岡崎が合わせて日本が追いついたというのが前半の流れであった。


前半終了間際に追いつき再びイーブンな状態になった事で
後半の日本は前半と同様に
まずはコロンビアディフェンスの背後を狙うという前作業をして
その後に足元に付けていくということをやろうとしたように思う。

ところが、コロンビアには前半と異なっていたところがあり
それがハメス・ロドリゲスの投入であった。

ハメス・ロドリゲスは左サイドの位置に投入されながらも
中央にポジショニングを取るため
日本は自陣にボールを運ばれてしまうとなると
2人のボランチで対応するのが難しくなった。

コロンビアの攻撃

ただし、ロドリゲスのポジションが左サイドに固定されない事は
日本にもメリットがあり、
ハメス・ロドリゲスが守備をする際に最前線に出てきた事で
4−1−4−1のままのポジショニングの周りの選手との間で
ギャップができてコロンビアの左サイドが空いた。

日本の攻撃

ここで空いたスペースに内田が上がってきたのであるが
中央でボールを受けた本田がフリーの内田へはたかず
自ら処理して良くない形でボールを失ってしまうと、
そこからコロンビアの攻撃が始まり日本は失点した。

コロンビアの攻撃を遅らせることはできたものの、
サイドを2対1の状態で対応したため
上がってきたコロンビアのサイドバックがフリーとなり
ノーマークでスルスルとカットインされた。

ここで問題だったのは、フリーの内田にボールをはたかず
まずい形でボールをロストした本田の判断と、
相手のサイドバックをフリーにしてしまった
サイドの対応ということになると思う。

ボールを奪われた本田の判断は個人で反省してもらうしかないが、
サイドでの対応という部分では
個の能力の高い選手に対して1対1での対応は危険であるから
日本は2対1の状態を作って対応するという事をしているものの、
そのようにセーフティに対応する事によって
相手の上がってきたサイドバックをケアできないのは
昨年行われたコンフェデ杯でも見られた形である。

コロンビアのゴール

大久保や本田で前線から蓋をできず
またボランチもマークが気になって前に出ていけないのでは
ボールホルダーに対して2対1でセーフティに対応したつもりでも
リスクになるだけであるというところで
1年経っても解決策が示されなかった。

1−2とされてからは日本はよく攻撃できていたと言えて
何度か大久保が決定機を迎えるに至った。

その攻撃の後に待っているコロンビアのカウンターに対しても
相手のミスにも助けられたが何度も晒されたピンチをやり過ごして
再び攻撃へと繋げる事ができていたと言える。

しかしながらゴールを奪えなかったために
CBの今野を高い位置にまで進出させるリスクも負ったが
そうする事でコロンビアのカウンターを成就させる事になり
突き放されて終戦となった。


相手の守備を引き伸ばす前作業をして
足元にボールを付けていく日本の攻撃は理に適っていたものの
前半も後半もその攻撃が実を結ぶ前に失点をしてしまっている。

前半に先制を許す展開とされながらも終了間際に追いつき
後半をイーブンな状況で迎えながらも
やはりまたもリードされる展開になっているという事からしても
ボールを持つ事が日本優位の展開になっていない事を示している。

ボールを持っていても先にゴールを取る事ができないわけで、
ボールを握る展開にして
日本のやりたい事をやっているのになぜそうなってしまうのか。

日本がどのようにして戦ってきたのかこれまでの試合を分析すれば、
前から積極的に連動したプレスをかける事で
相手からボールを保持する上での時間とスペースを奪い
自らボールを握って攻撃を仕掛けていくスタイルであることが分かる。

だとすれば、相手は時間とスペースを奪われないように
素早いパス回しやロングキックを使うなどして
ボールを保持しようと考えるか、
あるいはボールを持つ事自体は放棄して
カウンターを狙うという事を考えるのは当然である。

コロンビアはチームスタイルに合っている後者を選択し
日本の布陣に合わせて陣形を変え
マークにギャップができないようにして
ボールを奪いやすくカウンターしやすい状況を作った。

なので、日本からするとボールを持っていたはずが、
あらかじめ日本がボールを持つ事は
織り込み済みだったコロンビアからすれば
日本にボールを持たせていた格好となる。

日本がボールを持ちたがるのを想定していたのは
コロンビアだけでなく、
初戦で対戦したコートジボワールは
後方でビルドアップする際に人数をかけてボールを動かし
日本に積極性が欠けていたこともあって
前線からのプレスを機能させなかったし、
2戦目のギリシャもコロンビアと同様に
自陣に引いて日本にボールを持たせて
縦パスを入れてくるところへ厳しくタックルに行って
ボールを奪ったらカウンターを狙っていた。

それに対して日本は
相手がどのように戦ってくるかではなく
自分達のサッカーをすることに拘ったわけで、
その差は勝敗に影響したように思う。

つまりは、相手は日本がどういったサッカーをして
どういった対応をすれば有利となるかが事前に分析できており、
その分析の通りにしか戦えない日本の戦い方の幅の無さは
試合をする上で致命的であった。

相手がどう戦ってこようと関係なく
自分達のサッカーとしてひとつの事をやり続けるのであれば、
相手が対応策を見つけるのが難しいような
新たなアイディアを持ってスタイルを作り上げる必要がある。

しかしながら、今回日本が自分達のサッカーとして掲げたのは
ボールを握ってポゼッションを高めるという
言わばスペインのサッカーである。

そのお手本である本家のスペインにしても
対応策が浸透してしまっていてグループ突破も叶わず
ひとつのサイクルの終わりを迎えてしまっている。

そう考えた時
日本がやろうとした「自分達のサッカー」に
勝利を超えた価値を見出す事は難しい。

もし勝利する事以上に
自分達のサッカーを推し進めることに価値を見出せるとしたら、
やはりそれはこれまでのサッカー界にはなかったアイディアを持って
新たなスタイルを自ら生み出した時ではないかと思う。

今大会でチャレンジした自分達のサッカーを
継続するのかしないのか議論もあるようではあるが、
自らが生みだした独自のスタイルを
構築するまでには至っていない現状においては
まずは勝利する事を優先して実績を積み上げ
少しづつでも歩を進めるべきなのではないだろうか。



最後に

引いた守備で結果を出した南アフリカW杯で満足せず
自分達でボールを握ってサッカーしたいという
選手達のその向上心は素晴らしかった。

ただ、その向上心の高さが
現実を想像をする壁になってしまった感もある。

あれこれと情報を発信する側も含めて
もう一度現実を見つめなおす事も必要だろうと思う。

また結果が出なかった事で監督への批判は高まるとは思うが、
ザッケローニが日本サッカー協会から出されたオファーは
前回のW杯のような引いた戦い方でなく
より攻撃的姿勢で戦えるチームを作り上げる事であった。

もちろん、だからといってグループ敗退してもいいという事ではなく
攻撃的姿勢且つ決勝トーナメントに勝ち残るという事だったとは思うが
ザックはそのリクエストに沿ったチームは作り上げてくれたと思う。

もしザッケローニのやり方やアプローチの仕方が
間違えているというのであれば
攻撃的なチームを作り上げるという事に縛られて
ザッケローニを選んだ側に問題があったのではないだろうか。

しかし、個人的にはそのように思っていなくて、
トップレベルのヨーロッパからザッケローニを招聘した事で
ヨーロッパとの距離が縮まったと感じており
日本代表チームにもたらした功績は大きかったと思う。

結果は非常に残念なものになってしまったけれど、
大きな震災など様々な事があった4年間
日本代表のために尽力しただけでなく
日本という国を愛してくれた指揮官には感謝しかない。


日本代表(H)2014









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2014年06月24日

運命のコロンビア戦 肉を切らせて骨を断て!

2試合を終えて1分け1敗で勝ち点1の結果では
グループリーグ突破は難しく
日本には最終戦に勝つしか道はない。

しかし、コロンビアの試合は南米予選と親善試合と
W杯のグループリーグの計4試合を見させてもらったが
インテンシティが高くアグレッシブという印象で正直に強いと感じた。

日本がこのコロンビアに勝とうと思ったら
知能と体力をフル回転しなければならないのは間違いないだろう。

ボールを持ちたがる日本がボールを持つと仮定すると、
コロンビアは試合開始直後には
前からハイプレッシャーをかけることもあるが
基本はハーフウェイライン付近に守備をセットして
ボールホルダーへのチェックをしつつ
縦パスを入れてくるところへ
厳しくボールを奪いに寄せに来ることが予想される。

そこでよい形でボールを奪えれば
一気に攻守を切り替えて縦に速くカウンターを仕掛けてくるので
切り替えの早いカウンターの脅威に日本は晒される事になるだろう。

コロンビアのカウンターは基本ワントップ9番のグティエレスと
右サイドの11番クアドラドと左サイドの14番イバルボ
そしてトップ下の10番ハメス・ロドリゲスの4人だけであるが、
攻守の切り替えが早く個々にもスピードがあり
後ろの攻め上がりを待つような事なく手数をかけないので
攻撃の途中でボールを奪われるとなると
日本は後ろが手薄な状態なので非常に厄介である。

ただ、コロンビアは前の4人で攻めきることができる反面
前線の選手は戻るのが遅れたり戻ってくる時ばかりでないので
守備は最終ラインの4枚と2ボランチに依存しており
4−2での守備が基本となっている。

両サイドのクアドラドとイバルボは
やり過ぎなくらいチェイスしたりするも気分屋なところもあり
主にはスペースを埋める程度で
4−2がコロンビアの守備の根幹であると言ってよいかと思う。

南米予選では前線にファルカオを置いていた事もあり
後ろを3バックにして3−2の状態で守ってもいたが
サイドにスペースができやすく失点を重ねていた。

後ろを4枚にする事で
サイドにはスペースができにくくなったと言えるが、
4−2全体が中に絞っての対応をするため
まともにいきなり中を使おうとすると崩すのが難しくなる。

最終ラインの前は2ボランチなので
ボールをサイドに置くとボランチが1枚サイドに引っ張られ
バイタルがワンボランチ状態になるし、
またフリーランをかけられると
もう1人のボランチも最終ラインに吸収されるなど、
コロンビアは4−2で守備をするため
どこかでボランチを引っ張るとバイタルが空きやすいという欠点がある。

日本の攻撃

なので、日本もいきなり中から崩そうとするのではなく
サイドと中央にボールを行き来させて相手のボランチを動かしたい。

しかし、その場合も気をつけなければならないのは
前線の選手が戻ってこないという事は
イコール前線にコロンビアの選手が残っているという事でもあるので
そこでボールを奪われると再びカウンターの脅威に晒される事になる。

コロンビアの攻撃

つまりは、コロンビアは前線の4枚と
後ろの4−2の守備とで構成されていて
良い意味で攻守分断にも近い状態が作られていると言える。


という事で、日本がボールを持ちたがってボールを持つ展開となっても
鋭いカウンターを受ける厳しいシナリオが予想されるが、
逆にコロンビアがボールを持つ展開となっても
日本に待ちうけているのは明るいシナリオとは言い難い。

コロンビアは後ろからボールを繋いでビルドアップする際に
2人のCBと2人のボランチの4人でボールを動かそうとする。

これは日本が初戦で苦しんだコートジボワールのやり方と一緒で
日本は前からボールを奪いに行こうとする大迫と本田に
2列目以降の選手が前に出て行く事ができないとなると
再びコートジボワール戦の悪夢がよみがえる。

コートジボワール戦の経験から
おそらく日本はワントップ+本田に加えて
ボランチを1枚に前に出して
2列目以降の選手が積極的に前に出て
パスコースを消す事をするだろう。

しかし、高い位置からプレスを連動させる事で
パスコースを消してボールを奪えればよいが、
ここまでのコロンビアの戦い方を見る限りは
パスコースが消されると見るや
トップ下のハメス・ロドリゲスが低い位置に下がってきて
ボールを動かし始めるため対応が難しくなる。

低い位置に下がってきた時のハメス・ロドリゲスは
まず間違いなく最終ラインの背後にロングパスを供給しており、
前線のグティエレス、クアドラド、イバルボ、
もしくは彼らの下がって受ける動きと連動させて
後ろからアルメロとスニガの両SBが最終ラインの背後に飛び出してくる。

コロンビアの攻撃2

ハメス・ロドリゲスの左足から繰り出されるロングパスは精度が高く
ギリシャ戦でもロドリゲスから出されたロングパスを
最終ラインの背後で受けたクアドラドを基点として
ゴールが生まれているように、
高い日本の最終ラインの裏に出されて
スピードのあるコロンビアの選手とヨーイドンの状態になるのは
日本にとって危険である。

なので、この低い位置に下りてくるロドリゲスを封じる必要があるが
コロンビアが2CBと2ボランチの4人でビルドアップをするところに
日本が前からボールを奪いに行こうとすればそこで人数をかけすぎて
下がってくるロドリゲスを封じるのは難しくなるわけで
日本はジレンマを抱える事になるだろう。

前から取りに行く事をしつつロドリゲスまで封じようとしたら
日本はバイタルを空ける事になり
グティエレスとイバルボとクアドラドに対して
日本の最終ラインの前と背後に
ボールを受ける上での選択肢を与えることになる。

コロンビアの攻撃3

その状態で日本のディフェンスが対応できるかと言えば
難しいと言わざるを得ず、分析していけばいく程
コロンビアが今の日本にとって難しい相手であるという事を痛感する。


個人的には、前からボールを取りに行くしかない
現在の守備の仕方を続けるしかないのであれば
偶発的な幸運を味方にするしか日本には勝ち目は無いように感じる。

あまり良い思考ではないが、
既にコロンビアはグループ突破を決めているため
メンバーを少し変えてくる可能性もあるので、
それが幸運になるのであればなりふり構わず
なんでもかんでも恩恵を受けたい。

予想されるスタメンは

日本 コロンビア フォーメーション

コロンビアは突破が決まっている事もあり予想が難しいですが
今後のコンディションと控え選手のモチベーションも考慮して
数人のメンバーは代えて日本戦に臨んでくるものと思うし、
日本も今までのサッカーをするという原点回帰から
慣れ親しんだメンバーに戻すのではないかと思う。

展開とタイミングを見て途中から大久保や遠藤
はたまた青山や齋藤の投入を考えるのではないだろうか。


現状のまま前からプレスに行っても
コロンビアを嵌めることは難しいのではないかと思うし、
前からのプレスをかけたままハメス・ロドリゲスを封じようとすれば
コロンビアの前線の3人を野放しにすることにもなる。

しかしながら、日本は引いての守備に不安があるわけで
相手の出方を見て守備の仕方を変える事ができないのは
コロンビア相手には正直致命的であると言える。

だとしたら、穴ができないように全てをカバーするのではなく
どこかを捨てるという発想も必要なのではないかなと思う。

昨年のオランダ戦の後半のように
本田をステイさせてワントップ+両サイドハーフで
前からプレスをしていくような方法に
プレスの仕方を変える事もありなのではないだろうか。

日本の守備

その場合確実にコロンビアのサイドバックが空くことにもなるのだけど、
仮にサイドバックを警戒して日本のサイドハーフが対応するにしても
香川に下がっての守備をどこまで期待できるかを考えた時
大きな期待はしづらいわけで、
コロンビアのサイドバックへのマークは
ある意味で捨てるくらいの大胆さも必要なのではないかと感じる。

サイドバックへのマークを捨てれば
サイドを突破口とされる危険性は高まると言えるが、
その対価として本田が中央でステイできるので
ハメス・ロドリゲスをフリーにしてしまう事や
もしくはバイタルを空けてしまう事を回避でき
ロドリゲスからのロングパスを封じる事ができる。

また、コロンビアのサイドバックに
ボールを預けさせる事で攻撃参加を促せば
コロンビアは4−2の守備を保つのが難しくなり
相手のサイドバックの裏にスペースができる日本にチャンスにもなる。

もちろん香川らサイドハーフの選手はリスクをより小さくするため
コロンビアのサイドバックのポジショニングを
スタートポジションとすることで
サイドバックへのパスコースを消しながら
プレスをかける事が求められる。

マークを捨てる格好になるので
相手につけ入る隙を与える大胆な賭けになってしまうが、
これしかないのだからといって
これまで通り前からプレスをしていくのであれば
日本のプレスは嵌まらない可能性が高く敗戦覚悟の玉砕にもなる。

そうであるならば、
肉を切らせて骨を断つような思考も
崖っぷちの今の日本には必要ではないかなと思う。


日本代表(H)2014









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2014年06月21日

自分達のサッカーに突きつけられた現実

2014W杯ブラジル大会 グループC

日本がギリシャと対戦。

試合は、0−0のスコアレスドローに終わった。

慎重さが災いとなって
前からプレスをする事ができなかったコートジボワール戦を経て
積極性を出そうという事だったと思うが、
ギリシャは積極的にボールを持ちたがるチームでなく
日本は序盤からボールを持たせてもらえる展開にあった。

ボールを持たせてもらえればコートジボワール戦のように
自分達のサッカーができなかったというようなことはないはずで、
ギリシャ戦での日本は自分達でボールを持ち攻撃をしながらも
ボールを失った後の守備への切り替えも怠っていなかった。

そして前半の内にギリシャの方に退場者が出て
ひとり多くなった事まで加わったのにもかかわらず
終わって見ればスコアレスドロー。

攻撃できていた展開だっただけに
不満の残る消化不良のゲームとなった。

日本 ギリシャ フォーメーション


ハーフウェイライン付近に
4−1−4−1で守備をセットするギリシャに対して
ボールを持った日本は前半後ろでボールを保持して
横に揺さぶりをかけつつ縦パスを入れていくという作業をした。

ギリシャが4−1−4−1の布陣である事で
アンカー周りにスペースができやすいということがあるので、
日本はそのスペースに前線の大迫と両サイドの岡崎と大久保が
下がってくる形でボールを受けてクサビとなろうとして
大迫がギリシャの最終ライン前で
度々ボールを受ける事に成功していた。

日本の攻撃

大迫が間でボールを受ける事でクサビを打ち
ボールを動かしていって相手の整えられた陣形を乱して
ギリシャゴールに迫ったら、
今度は大迫が下がってボールを受ける動きと連動して
最終ラインの背後へ岡崎が飛び出す。

日本の攻撃2

日本としてはこの岡崎の裏抜けを使って
ギリシャの右サイドを押し込めたかったものと思われる。

ただし、サイドの岡崎と大久保に対しては
ギリシャのサイドバックのマークが厳しく
特に岡崎へ入ってくる縦パスは厳しいチェックに晒されていた。

おそらくギリシャとしては日本がサイドに入れてくる縦パスに対して
厳しくチェックしてボールを奪い
カウンターという流れを作ろうとしたものと思われる。

なので、岡崎の足元への縦パスと
長友の上がる動きを連動させる事で
ギリシャの右サイドバックの背後のスペースを使ったり、
ある程度容認してくれていた中央での大迫へのクサビのパス、
また右サイドの大久保がマークに付くのが難しい位置に
ポジションを移動してボールを受ける事を
日本は攻撃の糸口にしていた。

日本の攻撃3

ギリシャは日本がストロングポイントである
左サイドを使ってくるからそこを狙い打ちにしたかったし、
日本はギリシャのストロングポイントとなっている
右サイドを押し込んで機能させたくなかったわけで、
このサイドの攻防がひとつ試合を反映したものであったように思う。

ところが前半の内にカツラニスが
2枚目のイエローカードを受け退場となり状況は変化する。

ひとり少なくなったギリシャは布陣を4ー1ー4ー1から
カラグーニスを投入して4ー4ー1への変更を余儀なくされると
全体をコンパクトに保とうとするため、
ギリシャのアンカー周りにできやすかったスペースが消える形になる。

なので、日本の糸口のひとつとなっていた
大迫へのクサビのパスを打ちにくくなったと言えるが、
今度は岡崎の下がる動きに食いつく
トロシディスの背後にできるスペースに
大迫が流れてボールを受けて基点を作っていた。

日本の攻撃3

岡崎に対してマークが厳しいのであれば
それを囮として長友、大迫が背後にできるスペースを使う、
そこまではよくできていたように思うがゴールは生まれず
前半はスコアレスで折り返す。


後半日本は長谷部に代えて遠藤を投入。

ギリシャがひとり少なくなった事で前でのチェイスが難しくなっており
日本がギリシャ陣内でボールを動かせる事からすると
パスを散らす事のできる遠藤の投入は妥当である。

ギリシャはトップのゲカスも下がって自陣でブロックを作るため
日本はそのブロック周りでボールを動かせるので
横に揺さぶりをかけてギリシャの選手間の距離を広げて
縦パスを入れていくという作業になる。

後半のギリシャは大迫の下がって受ける動きを容認してくれず
付いてくる対応をしたので、
日本は大迫の下がる動きで相手のCBを食らいつかせて
空けた背後のスペースに
岡崎がダイアゴナルに入ってくる形を作る。

そこで日本は大迫に代えて香川を投入、
岡崎が中に入ってきていたので
もう一度左サイドで横に広げようとしたものと思われる。

そういう思惑の日本に対してギリシャは
ファウル気味の厳しいチェックでボールを奪ってのカウンター、
またロングボールを使って日本陣内にボールを運ぶと
セットプレーを獲得する事に活路を見い出す。

ギリシャのカウンターに対して
日本はその場でプレッシャーをかけて
ほぼカウンターの芽を摘み取ることに成功していたが、
日本陣内にボールを運ばれてコーナーキックを取られるとなると
今大会出場参加国中平均身長で
3番目の高さを誇るギリシャは脅威で危険であった。

しかしながら、攻撃を凌いだ日本が
自陣からカウンターを機能させ始めると
ギリシャは戻る距離が長くなり徐々に疲弊して
自陣低い位置での守備で手一杯の状態になり
日本が一方的に攻める展開となり、
ギリシャはほぼ引き分け狙いにシフトしたように映った。

ブロック周りでボールを回せる日本は
2列目の選手がポジションを移動して
中央を使う事でサイドに大きくスペースを空けて
内田のオーバラップを引き出し
大久保が決定機を迎えるが決め切れず。

またサイドにボールを置く事で
バイタルにスペースを空けてはいるものの使いきれなかったり
最後のところを突破できず、
サイドからクロスボールを入れては見るものの
ギリシャゴール前の守備は堅く
単純なクロスでは状況を打開できない。

という事で、前線に吉田を上げて的を大きくしてクロスを入れたり
時間が無くなってきて吉田目がけて放り込みをするのだけど
ゴールを奪う事はできず。

交代のカードは1枚残していたのだけど使われず
結局ギリシャの守備を最後まで崩せなかった日本は
ドローで勝ち点1を得るに留まった。


自分達のサッカーさえできれば勝てるのだと信じてきただけに
ある意味で自分達のサッカーをする展開に持ちこみ
なおかつ相手がひとり少ない状態になりながらも
勝てなかった事には落胆はある。

自分達でボールを保持して攻撃をしていき
ボールを失ったら素早く攻守を切り替えて
その場でボールを奪い返して再び攻撃に移る、
そこまでのポゼッションサッカーのフレームワークはできていたが
最後の崩しのところで崩すまでに至らなかった。

簡単に外観だけを見て言ってしまえば
最後のところを崩すだけのスピードとアイディアが不足していたとは思う。

しかし、確かにひとり少なくなっていたとはいえ
ドロー覚悟で中央を固めたギリシャの守備を攻略するのは困難で
日本でなくとも崩すのは難しかっただろうと思うし、
日本が得意としているワンタッチパスによるコンビネーションも
中央が密集し過ぎて入っていくスペースがなかったので
最後はパワープレーをするしか選択がなかった事も理解できなくはない。

ただし、そういった展開になる事への
用意ができていたのかについては疑問が残るところ。

思えばコートジボワール戦にしても
ドログバが入ってきた段階で相手は2トップになっているのだから
フィジカルに強さを持つセンターバックを投入して
センターバックの枚数を増やして
困難な時間帯を乗り切るという手もあったはずであるが
「日本には高さの文化はない」と言って
その可能性を事前に排除してしまっていた。

W杯のような真剣勝負の場では
日本の意としない試合展開も想定できるわけで、
自らがパワープレーをしなければならない
またパワープレーをされる展開になった時に
どう対応するのか不安だった箇所が現実に表に出てきたように思う。


日本代表(H)2014









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