2014年09月03日

パニックバイしたのは…

毎年恒例となっている移籍期限ギリギリでの土壇場の駆け込み劇、
今年最も動きがあったと言えるのがマンチェスターユナイテッドだろう。

予想されていた事ではあったものの
香川真司を古巣のドルトムントに放出しただけには留まらず、
エルナンデスにウェルベックと
ユナイテッドの未来とも言われてきた選手達を最終日に次々と放出した。

彼らを放出すると、既に獲得が決まっていた
マルコス・ロホにアンヘル・ディ・マリア、ダレイ・ブリントだけでなく
最終日にラダメル・ファルカオを1年間のローンで獲得した。

開幕から3試合を消化してもなお白星から見放されている事で
ファン・ハールが大鉈をふるったというところではあるが、
ファルカオの移籍が急転直下に決まった事で
パニックバイだったのではないかとの見方をする向きもある。

そもそもファン・ハールが就任直後に下したユナイテッドの診断は
9番と10番の選手が多いという事であり、
それならば9番タイプの選手であるファルカオを獲得するのは合点がいかない。

9番に関しては開幕前、誰とは名指ししなかったものの
ファン・ペルシ、ルーニー、ウェルベック、エルナンデスと揃っているので、
その内の3人をベンチに座らせることはしたくないので
2トップを採用したいというのがファン・ハールの判断だったと思う。

2トップを採用すればスタートからピッチに立つ選手が2人と
サブとして1人の計3選手でローテーションさせながら起用していく事になるので
1人は余剰人員として今夏に放出されるのだろうということは想像できた。

その中でもエルナンデスに関しては
先に移籍した香川と並列されて放出の最有力候補であったように思うが、
ユナイテッドが開幕から結果が出ずに移籍の期限が近づいてくると
エルナンデスに留まらずウェルベックにまで放出の噂が出てくるようになっていたわけで
水面下ではファルカオの獲得可能性が現実味を帯びてきていたと推測される。

結局エルナンデスだけでなくウェルベックもアーセナルに放出して
1年の期限付きではあるもののファルカオを獲得する事となった。

ファルカオの能力からしたら素晴らしい補強という事になるのだけど、
他から横取りしたかのような金銭の掛け方からするとどうなのというところで
それならば他に補強しなければならない箇所があったでしょというのが本音ではある。

ただ、ひとつ気掛かりであるのはエースのファン・ペルシで、
ファン・ハールが就任した事で中心選手としての活躍が期待されながら
ここまで目立った活躍をするどころかフルで試合に出場するのが難しい状態である。

ましてやここにきて手術が必要なのではないかとの情報もあり、
最高のパフォーマンスを出せるまで時間がかかるのではないかと
状態が疑問視されているところもある。

エースの状態が上がってくるのを待ちたいところではあるものの
それが許されるような状況でないことも確かであるので、
同胞のエースに最大限配慮した結果のファルカオの1年ローンでの獲得ではなかったか。

パニックバイであったとも言えるだろうし必要な補強をしたとも言えるが、
ルーニーとペルシにウェルベックとエルナンデスという前線の構成が
ファルカオとルーニーとペルシの構成に変化したと考えれば
寂しくもあるが余剰人員を整理して戦力がアップしたようにも思う。


問題はファルカオをどう起用するかということで、
ここまで獲得しているロホ、ディ・マリア、ブリント共々
どうチームに取り込んでいくか考えてみたいと思う。

現在のユナイテッドのフォーメーションはCBを3人配置しての5バックに
中盤セントラルを3人に2トップを配置した5−3−2になっている。

ディ・マリアを先発出場させたバーンリー戦では
マタとディ・マリアを並列させるポジションにしてフレッチャーをアンカー気味に配置していたように
選手補強によって中盤の構成についてはやや変化してきている。

もしこの布陣を継続していくのであればディ・マリアは
バーンリー戦のようにインサイドハーフとして起用することになるだろうし、
ロホについてはすんなりと現在ブラケットが務めている左CBに入るだろうと予想される。

ブリントに関しては様々なポジションを受け持てるので色々な起用の仕方を巡らせられるが、
現在の5バックのままであるのだとしたらアンカーでの起用が有力であるように思う。

就任当時のファン・ハールのコメントからすると
マイケル・キャリックに対する信頼が厚いと感じるため、
復帰をすればキャリックをアンカーとして起用する予測が立つので
復帰するまでの間をブリントがアンカーとして務めるのではないだろうか。

そして2トップはファルカオとルーニーをメインにすれば
ファン・ペルシにコンディションを上げるための時間を与える事ができるし、
復帰したらしたで3人でローテさせて起用する事もできるし
3人の内の誰かをベンチに置くのが難しいのであれば
ルーニーのポジションを1列下げるという事で対処できる。

なので、5バックを継続するのであればこんな感じになるのかなとは思う。

dss20140903001myboard.jpg

ただし、ブリントのアンカー起用がキャリック復帰までの限定的起用であるとするならば
キャリックが復帰したらブリントは左サイドバックのポジションに戻る可能性が高い。

そうなると5−3−2のウイングバックよりも
4バックのサイドバックとしての役割がより向いていると思われるので
5バックから4バックの布陣に移行していくのではないだろうか。

ディ・マリアをサイドに置きたければ4−3−3にするだろうし
2トップを保ちたかったら4−3−1−2のような形になるだろう。

dss20140903002myboard.jpg

dss20140903003myboard.jpg

選手の入れ替えをしたのでどのような形になるかは不透明ではあるが
バーンリー戦を見ての通りで今のユナイテッドにはボールを前に運ぶ術がなく
指揮官肝入りの選手を獲得したとはいえ連係面での不安もある。

なので、W杯のオランダ代表のようにボールを保持しないで守備をするところから
中盤をすっ飛ばすようにして試合を展開した方が格上相手でも結果を出しやすく
現状では5バックがベターであるのかもしれない。

おそらくユナイテッドに問題となるのは
ボールを保持しなければならなくなる格下を相手にした時であると思われるので
やはりそのためには追々4バックへ移行して連係を高めて
ボールを保持した攻撃をできるようにしていくのではないだろうか。

ただ、その時にはまたストロートマンら
他の選手の獲得の話にもなってくるであろうと想像するところで、
結局のところファン・ハールがパニックバイに陥ったというよりも
全面リニューアルを必要とするファン・ハールを
招聘せざるを得なかったユナイテッド自身がパニックバイだった結果だろうと思う。






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2014年09月01日

幸福の黄色いシャツ!?香川がドルトムントに復帰


香川真司が古巣のボルシア・ドルトムントに移籍する。

マンチェスターユナイテッドでの2シーズンは期待に沿うような活躍はできておらず
プレミアリーグでのチャレンジは失敗した形で出戻りとなる。

しかしながら、プレミアでのチャレンジが成功を見なかった背景には
移籍後の香川に数々の不運が降り注いだこともある。

サイド偏重の伝統的なユナイテッドのスタイルからの脱却を模索していた
”サー”アレックス・ファーガソンにその変革の担い手としての期待をされたものの、
香川の移籍とほぼ時を同じくしてユナイテッドが
当時アーセナルの得点王ファン・ペルシを獲得できてしまったことは
ユナイテッドにおける香川の存在意義を薄くした。

個の能力で得点を増やす事ができるようになり
ユナイテッドが急速な変革に迫られなくなったからである。

それでも、ヨーロッパに舞台を移すと
ユナイテッドの伝統的なスタイルではモダンなスタイルに分が悪く
プロジェクトを進める必要があるという事はファーガソンも理解していたので
緩やかにでもユナイテッドを変えていこうとしていた節があったが、
その理解者のファーガソンが勇退してしまった事で香川の将来は不透明なものになった。

後任に指名されたデイヴィット・モイーズには
ファーガソンが成し遂げられなかったモダンなサッカーへの移行を期待したものの、
モダンどころか時代に逆行するかのようなオールドスタイルへの回帰路線で
香川は構想から外された。

長期の政権を託されたはずのモイーズは1年と持たずに失脚する事になり
暫定でギグスが代理監督を務めると、
その後釜にはこれまで数々のビッグクラブで指揮を執り
「名将」の名をほしいままにしたルイス・ファン・ハールが就任する。

経験豊富なファン・ハールの就任で香川に活躍の場が与えられるかとも思われたが
ファン・ハールはトップ下のポジションにはフアン・マタをチョイスすると
香川にはセンターハーフの役割をテストし不合格の烙印を押した。

マタが素晴らしい選手であるという事に異存はなく
ファン・ハールのチョイスが間違っているとは思わないが、
ひとつ香川に不利だった事があるとするならば利き足の違いにあると感じる。

ファン・ハールはオランダ代表を率いていた昨年に日本と親善試合した後にも
「左利きのディフェンダーが不在だった」とコメントしているように
チームに一定数の左利きの選手を求めるところがあり、
左利きのマタは右利きの香川と比較して大きなアドバンテージがあった。

ただ、左利きの選手を求めるのはファン・ハールに限った事でなく、
例えば本田を獲得したミランもそうであるし、
新たに日本代表を指揮する事になったアギーレも
鳥栖の酒井達弥を代表に選出したところからもそう読み取れるし、
かつては日本代表を指揮した岡田武史氏も
長友がいながらもサイドバックに左利きの選手を求めていたように、
左利きの選手をチームに組み込みたいと考える監督は多い。

ボールを扱う足が異なる事で右利きの選手とは異なる視野を持てるというのが
左利きの選手を起用する最大の要因で、
野球でも左打ちのバッターに対して左投げのピッチャーが効果的で
チームの中に数名の左投げの投手を配しておくのと同じように
サッカーでも左利きの選手を求めるというのは自然であるようにも思う。

その中でもファン・ハールという監督は
左利き厨と言っていいほど左利きの選手を求める傾向があり、
ユナイテッドでも3バックの左にはまだ若いブラケットを重用しているし
補強もディ・マリアにブリントと左利きの選手ばかりであるし、
今後獲得が噂されているストロートマンも左利きである。

そういうところでマタと比較して優劣をつける上では
右利きの香川をピックアップする要素は極めて少なかったと感じる。

ただし、ディ・マリアを獲得してブリントを獲得するとなると
今後のユナイテッドは3バックから4バックにしての
4−3−3の布陣にする事が予想される事から
中盤にはトップ下が消えてアンカーを置くようになると
バーンリー戦がそうであったようにマタの存在というのは薄くなる。

ましてや冬にでもストロートマンを補強となれば
マタでさえもお払い箱になる可能性もあるわけで、
左利きでもなければトップ下でしか輝けない香川が
ファン・ハールから離れる決断をしたのは間違いじゃないと思う。


そして香川が選択した移籍先がドルトムント。

香川自身ユナイテッド移籍前の2シーズンを過ごしており
チームのやり方を理解していたり
住環境や人間関係など環境面での適応にも問題がないので
香川にとって最もリスクの少ないクラブであると言える。

不安要素があるとするならば、ユナイテッドでの2シーズンにおいて
試合に出場する機会が激減した事による試合勘の欠如と、
プレミアリーグに適応する形で筋肉をつけ過ぎた事で
武器としていた俊敏性が損なわれたことだろう。

即戦力として使えそうなのか、リハビリが必要なのか
その辺りをクロップが手元で見てどう判断するかではあるが、
どちらにしてもドルトムントが望むのは
かつてドルトムントに在籍していた時の香川であるのは間違いないので、
あの素晴らしいサッカーを体現した体と頭を香川はもう一度呼び起こす必要がある。






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2013年05月11日

モイーズ就任でユナイテッドは、香川はどうなる?

マンチェスターユナイテッドを長年にわたって率いた
アレックス・ファーガソン監督が退任する事となり
その後任に正式に
現エバートン監督のデビッド・モイーズの就任が発表された。

正式に後任が決まったからにはやはり日本人として気になるのは
モイーズがどういったサッカーをするのか、
また香川真司の起用方法にどういった変化があるのかというところで
来シーズンのユナイテッドにおける香川の処遇が気になるところ。

そこで今シーズンにモイーズ監督が
エバートンでどんなサッカーをしていたのかが気になるので
これまで見たエバートンの試合を思い出してみたり
数試合程ハードディスクに残っていた
エバートンの試合をVTRで見てみた。


モイーズのサッカーとは?

エバートンの立ち位置とユナイテッドの立ち位置は異なるので
モイーズがユナイテッドで同じサッカーをするかどうかは分からないが
モイーズのサッカーを知る助けにはなるかと思う。

エバートンでのモイーズのサッカーというのは
基本フォーメーションは以前は4−4−2であったが
現在は4−4−1−1の布陣を用いている。

その布陣になったのにはフェライニの存在が大きく、
以前はフェライニをボランチの位置で起用していたが
そのフィジカルの強さや高さを前線で活かすようになり
現在はトップ下の位置で起用している。

そのフェライニ、もしくはトップのアニチェベか
イェラビッチへとロングボールを用いて
フィジカルの強さを活かして競らせて収める
もしくはセカンドボールを拾う事で高い位置にポイントを作る。

サイドハーフに関しては中に絞って
そのセカンドボールを拾うのとボールを動かす役目を負い、
サイドはサイドバックが高いポジショニングを取る事で使って
クロスボールを入れるといった攻撃が多い。

また攻撃途中でボールを失った際には
敵陣内でプレッシャーをかけて閉じ込めるようにするのと
自陣に入ってこられた際にはしっかりと戻って
4−4−2のコンパクトなブロックを作る
といった守備の仕方をしている。

まあ、ざっとではあるが
モイーズのエバートンというのはこんな感じで、
ロングボールを用いる事が多い
イングランドにありがちなサッカーといった印象である。


モイーズ就任でどうなる?

先程も言ったようにモイーズが
ユナイテッドでも同じサッカーをするとは限らないが、
もし同じようなサッカーをしようとしたら
体現するためにフェライニを連れていく可能性は十分あると言える。

またエバートンの選手の中でも最も出場時間が多く
重宝している左サイドバックのベインズは
モイーズとともにユナイテッド移籍もあり得るようには感じる、
と書いた矢先にさっそくフェライニとベインズの
ユナイテッド移籍も報じられているようです。

そうなるとモイーズとは一線を画すルーニーなど
モイーズ就任によって弾かれる選手が出てくるわけで
香川とて先行きは不透明である事に違いない。

ただ、モイーズが新監督になって指揮を揮うことにはなるが
ファーガソンがバックに付いていることで
少なくともそのファーガソンの作り上げたチームを
ぶっ壊すようなことはしないはずで
これまでのユナイテッドを継続をしていきながら
徐々にモイーズのカラーを出していく
クレバーな方法をとるだろうと思うところで、
モイーズが変化させるとしても最小限に留めるだろう。

そう考えると香川にも必ずチャンスはあるはずで
今シーズンがそうであったように
与えられたチャンスにしっかりと応えていく姿勢が求められる。


香川はどこで起用されるか?

では、モイーズ・ユナイテッドにおいて
香川がどこのポジションで起用されるのかであるが、
エバートンの試合に当てはめるとトップ下には
屈強なフェライニを置いているので
香川のトップ下は考えにくいのかなと思うところで
サイドハーフというのが最も考えられる選択肢であるように思う。

後方からのロングボールをファン・ペルシー
もしくはフェライニ?が競って収めるので
そのボールを受けてボールを動かす役目を担うというのが
モイーズ体制における香川の役割であるのかなと感じる。

なので、トップ下・香川であったりシャドーストライカー・香川の
イメージからするとその役割は異なるし
守備面でもサイドの選手には結構ハードワークが求められるので
香川にとってはまたしても試練のシーズンになる可能性はある。

しかし、エバートンの試合を見た限りでは
サイドハーフには純粋なウイングタイプの選手を起用していないので
そういったところではバレンシアやナニといった選手よりも
香川のようなボールタッチ数を増やしてボールを動かせるタイプの方が
サイドハーフとして起用される可能性は高いのかなとは思う。

来シーズンのマンUの予想布陣

新監督就任でまた振り出しに戻る部分もあり
手元でプレーを見てからという事にはなるので
どこでプレーするにしてももちろん香川次第であり
これまでもそうであったように運命を自ら切り拓いていくしかないと思う。

その香川の苦労を考えるとハラハラドキドキする感じもあるが、
香川自身の技術は揺るぎないものがあるし
これまでも様々なハードルを越えてきた選手だけに
個人的にはどちらかというと期待感の方が大きい。

香川ともども来シーズンのユナイテッドが
ファーガソンが退いてどう変化していくのは見ものであるし、
モウリーニョも来ると予想されているだけに
来シーズンのプレミアリーグ自体に話題が満載という印象で、
選手の苦労をよそに今から楽しみではある。


マンチェスターユナイテッド(H)12−13 香川









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タグ:マンU
posted by ピーター・ジョソソン at 12:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移籍情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする