2016年08月13日

大きな失望と共に手にした未来への希望

グループステージ2試合を終えて勝利がなく他力本願だった手倉森ジャパンは
最終戦のスウェーデンに勝利はしたものの
コロンビアがナイジェリアに勝利したため大会を去る事になってしまいました。

信じられないようなミスを繰り返した初戦、2戦目と悔いが残るところはありますが
勝利して終える事のできた3戦目のスウェーデンとの試合を見ていきたいと思います。

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グループステージ最後に対戦する事となったスウェーデンは
これまで日本が対戦してきたナイジェリアとコロンビア以上に
オーガナイズの行き届いたチームだったと思います。

ボールを保持したらボランチのティブリンクがセンターバックと共に最終ラインまで下がることによって
日本の2トップに対して数的優位を作ってショートパスを繋いでボールを運び、
ボールを保持していない時には4−4−2のブロックを作ったらスライドする守備をする事によって
狭いエリアに人を密集させてボールを奪いやすい状況を作っています。

アフリカや南米のチームにはない組織性を有していたところはヨーロッパのチームらしく
攻守両面において全体が統率されていたと感じますが、
そのオーガナイズがボールとスペースの支配、
引いてはゲームの支配には繋がっていなかったように思います。

スウェーデンはボール持ちながらも、
浅野の走力と興梠の運動量を活かしたチェイシングをスイッチとして
2列目以降が連動してプレッシャーをかける日本のプレッシングによって
その数的優位の状況を前方にドライブさせるような場面というのは少なかったと感じます。

ビルドアップが試合を優位に進める事に繋がらないスウェーデンは
業を煮やしたかのように前半途中から
最前線のアイダレビッチや右サイドハーフに配置されていたハリリが
低い位置まで下がってきてボールを動かし始めます。

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前線から選手が下りてくると単純に人数が増える事に加えて
どこまでマークに付くべきかというところで日本にマークが付き難い状況が生まれるため
スウェーデンのビルドアップは安定を見ます。

しかしながら、後ろに人を割けば前には人がいなくなるのは自明の理であり、
スウェーデンはボールを前方に進めるためのパスのターゲットの数を減らす事になります。

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そのためにスウェーデンの攻撃はワントップのイシャクに当てるところから始まり、
逆に言えばイシャクにボールが収まらないとなると攻撃へと移れないところがあったように思います。

ボールを握ろうとするならばボールによって相手を動かすようでなければなりませんが
スウェーデンはボールを繋ごうとして自らを動かしてしまっているという点では
本当の意味でボールを支配していたとは言い難く、
それを阻んでいたのはまぎれもなく日本の連動したプレッシングだったと思います。


ボールを持った日本の前に立ちはだかるのも
これまたオーガナイズされたスウェーデンの組織的なディフェンスです。

4−4−2の陣形を作るスウェーデンのブロックは
選手間の距離を等間隔に保ち圧縮する事によってインサイドのコースを狭くしアウトサイドへと誘導したら
ボールサイドに全体をスライドさせる事によってプレーするスペースを狭めるため、
日本は前方にボールは運びづらい状況にあったと言えます。

しかしながら、日本は浅野らのスピードを使ってブロックの背後を衝くので、
スウェーデンはブロックのコンパクトさを保つと共に
背後のスペースをカバーしようとするとブロックの位置を十分に上げきれず、
日本のボール回しに対してはブロックの外に追い出すまでに留まっていました。

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それが故にセンターバックのところでは比較的プレッシャーの少ない状況でボールを持てる日本は
後ろでボールを動かしてはピッチの横幅を広く使う事によって
スウェーデンの守備を片側サイドに寄せたら
サイドチェンジのパスを使う事によって一気に逆サイドに展開して時間とスペースを獲得します。

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またそのプロセスにおいてスウェーデンの選手間の距離が開いてくるようであれば
選手間の距離を縮めてからワンタッチパスを使う事でブロックの内部を攻略しようとするため、
スウェーデンは試合開始当初の4−4−2の陣形を前半途中から4−5−1に変えて
ワイドに開いた位置とインサイドへの対応を強化します。

但し、その変更によって最前線が2トップから1トップになり
プレッシャーの薄くなったスウェーデンの守備は更に受け身になったと感じます。

日本は攻撃を仕掛けるとそれによりボールを失っても素早く攻守を切り替えてその場で回収を試み、
反対に守備から攻撃に移る際には
2トップが背後への動き出しで相手のディフェンスを押し下げて手前側にスペースを作ると
左サイドの中島へクサビを入れて起点を作る事でカウンターを仕掛けており、
局面でスウェーデンをスピードで上回る日本がゲームを支配して試合は進みます。


それでもコンパクトなブロックから適切なスライド守備によって
日本にゴールを与えなかったのが前半のスウェーデンだったと言えます。

しかしながら、日本が前半から能動的にプレーし続けた事は
後半になって効果を表すようになります。

ボールを持った日本が相手の背後と横にできるスペースを使いながら
素早いワンタッチでのパスワークから危険なインサイドを崩していた事で、
前半はボールサイドに全体をスライドさせていたスウェーデンの守備は
運動量の低下も手伝って徐々に中央を固めようとする意識が強くなっていたように感じます。

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スウェーデンの守備がスライドせずに選手間にスペースができてよりボールを動かしやすくなると、
日本はスローインから大島の個の突破でボールサイドでの5対5の状況を制し折り返したボールを
南野に代わって投入されていた矢島が押し込んで待望の先制点を挙げる事に成功します。

スローインはもっと効果的に使うべきであると前回指摘したところですが、
この試合の日本はスローインを低い位置では運ぶ手段として
高い位置ではチャンスメイクの手段として効果的に使えていたように感じます。

そして1点リードした日本はその後も追加点のチャンスがありながらも決め切れませんでしたが
興梠に代わって井手口を投入する事で中盤の枚数を増やしてしっかりと試合を閉めて勝利しています。

結果的にコロンビアがナイジェリアに勝利したため
日本はスウェーデンに勝利しながらも先に進める事はできませんでしたが、
ボールを握れる事であったり、スローインの改善、
また無失点でリードを保ったまま試合を終えられた事など
試合を追う毎に成長を感じる大会にはできたと思います。

それだけに勝ち上がる事によって更なる成長を促したかったところですが
犯したミスを鑑みれば敗退も受け入れざるを得ません。

それでもこの大会での経験は
特に国内でプレーしている若い選手にとっては得難いものであったはずなので、
その経験の大きさをそれぞれの場所に戻ってから
それぞれの選手がプレーで示してくれるのではないかと期待します。






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2016年08月10日

育たない守備に対して勝手に育つ攻撃

初戦のナイジェリアとの試合に敗れて後がない手倉森ジャパン。

残りの試合がコロンビアとスウェーデンであることからしても
グループリーグ突破は風前の灯にも思われましたが、
コロンビア戦は2点リードされる苦しい展開ながら追いついて3戦目に可能性を繋げています。

凡ミスから失点を重ねて敗れたネガティブな初戦から
如何にしてポジティブなドローに至ったか見ていきたいと思います。

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日本がコロンビアとの試合に臨むに当たって
初戦のナイジェリア戦から修正を求められたのが誰の目にも明らかに5失点した守備です。

サッカーの試合とは思えない程の失点をしてしまった背景には幾つかの原因がありましたが、
以下のものがその原因として挙げられると思います。

・日本サッカーが慢性的に抱える守備をする上での誤った理解
・本番で技術ミスと判断ミスを犯してしまう国際経験の少なさ
・スペースの支配に基づいてチームをオーガナイズできていない

何れの原因もすぐにでも改善が必要であるとは言え
上の2つに関しては一朝一夕に解決できるものではなく、
手倉森監督が即座に施せる修正の範疇を超えてしまっています。

短時間に修正ができたのは3つ目の
スペースの支配に基づいたチームのオーガナイズをもう一度し直す事だけであり、
ナイジェリア戦ではアンカーに遠藤航を配置して4−1−4−1にしていた布陣を
コロンビア戦の日本は慣れた4−4−2の布陣に戻しています。

4−1−4−1の布陣は守備をする際には最前列がワントップになるため
ボールをチェイスして方向づけする人を2列目から足してやる必要がありますが、
2列目から前に押し出す事でその背後にはスペースを作ってしまいます。

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空けてしまうスペースはカバーする必要がありますが、
これまで4−4−2をベースにしてチームを作ってきた手倉森ジャパンは
4−1−4−1でのプレッシングとカバーリングの連動した作業でスムーズさを欠き、
スペースを与えないようコンパクトさを保つ事にプライオリティを置き過ぎてしまって
プレスが十分にかからないためディフェンスラインを上げられず受け身になってしまっていました。

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そもそも4−4−2をベースにしてきたチームを
4−3−3に変化させるキッカケとなったのが先日のブラジルとの親善試合だと思います。

強敵を相手に回して安定した守備とボールを握る機会を作るためには
中盤の枚数を増やす必要性に駆られたからで
インサイドを強化するための4−3−3への変化だったと思います。

ところが、選手がスムーズに動けず機能的でなかった事で、
ナイジェリア戦の後半にも機能をみた4−4−2に戻して
改めて能動的に守備をしようとしたのがコロンビア戦だったと思います。

慣れ親しんだ布陣に戻した事によって手倉森ジャパンにプレッシングが復活し
高い位置でボールを奪う事によって序盤からリズムを掴んで試合に入った事が
衝撃的な初戦から立ち直るキッカケになったと感じます。


プレッシングからボールを奪ったら素早く攻守の切り替えを図ってゴールに迫った日本に対して
コロンビアは自由にボールを持たせてもらえず守備への切り替えを求められます。

中盤をダイヤモンド型にしたコロンビアの4−1−3−2の布陣は
自らがボールを保持した際には全体を押し上げて
サイドバックで横幅を作れれば厚みのある攻撃を仕掛けられる特長があるものの、
守備に追われるとなると中盤には明確にサイドが無いだけでなく
アンカー周りにもスペースができやすい欠点を有しています。

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そのためにスライドしてサイドに対応するコロンビアに対して
ボールを奪った日本が攻守の切り替えを早くしてサイドバックが位置を上げると
逆サイドでは数的優位を作りやすく日本はサイド攻撃を使ってゴールを脅かします。

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また日本はその攻撃でボールを失ったとしても今度は攻から守への切り替えを早くしていましたので、
コロンビアが攻撃に移るためには自陣で日本のプレッシングを捌かなくてはなりません。

コロンビアにプレッシングを外される事によって日本は肝も冷やしますが、
プレスを外されても粘り強く対応することによってマイボールにできれば
この試合スタメン出場した浅野を前方に走らせる事で逆に相手に脅威を与える事もできます。

スピードのある浅野がディフェンスの裏のスペースへと走れば
コロンビアのディフェンスは下がらざるを得なくなりますから、
相手を押し込めることによって
日本の手前側にはスペースができてボールも繋ぎやすくなるといった具合で、
スペースの支配から日本がゲームを支配していたのが前半だったと思います。


コロンビアはそうした状況を変えようと
後半開始早々から選手交代を図って3ラインをフラットにした4−4−2へ布陣を変更し、
サイドとアンカー周りにもスペースを作らないよう人を配置します。

日本にとってはボールをキープする上での置き所がなくなるだけでなく
プレッシングをかける上でコロンビアがそれまで以上にサイドに人数をかけてくるため
徐々にボールをキープしにくく、高い位置でボールも奪えない状況が増えてきます。

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すると、前方へのパスコースが2トップに限られた事で攻撃が単調になるのを嫌ったか
ボールを持った中島がバックパスを選択して、藤春、GK中村とボールを下げてしまうと、
コロンビアのチェイスに中村がキックミスしてボールを自陣で拾われてしまいます。

塩谷が対応する事で難を逃れたかに見えたものの
クリアできなかったために相手にボールを渡してしまうと
遠藤がフォローに回った事でサイドで相手と2対2の状況になります。

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できればファーストコンタクトで塩谷がクリアできていれば良かったのですが
遠藤のフォローによって問題のある状況にまではなっていなかったと感じますが、
この数的同数の状況で矢島が戻ってきて数的優位にしようとしたことで
コロンビアのサイドバックがフリーとなります。

ボールホルダーであるパボンはフリーのサイドバックとのパス交換から中央へと侵入を開始すると
日本は井手口が食いつきながらも交わされてしまい壁役だったグティエレスに前を向かせてしまうと
グティエレスが逆サイドからダイアゴナルに入ってきたロドリゲスとのパス交換から
シュートを決めてコロンビアが先制してしまいます。

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消極的に後ろに戻してしまったところから追い込まれてミスキックをしたGK中村、
ボールをコントロールする機会がありながらクリアできなかった塩谷、
無駄に状況を難しくするポジショニングを取った矢島、
確実にボール奪取できる場面ではなかったのに食いついた井手口、
逆サイドのサイドバックを気にして中を閉じようとしなかった藤春、と
それぞれが誤った判断やプレーを選択した事で失点が導かれたといって過言ではなく、
失点の質という点では自滅を招いた初戦と同じ類だったように思います。

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失点した日本は南野と大島を投入して攻勢に出ようとしますが、
前掛かりになったところでボールを失った事でカウンターを食らうと
藤春のオウンゴールで更に状況を難しくしてしまいます。

少し厳しい言い方をさせてもらうと、ここまでの信じられないミスを犯してしまうと
もはやプロ選手としてどうかを疑われるレベルではないかと思うのと同時に、
脚が速いだけの選手をサッカー選手として仕立て上げられていないという点では
育成に対する疑念も生じるところだと思います。


選手個々が守備の仕方を正しく理解し経験を積まない限りはミスはなくなりませんが
短期間に身に付くものではないので育成を見直す必要はあると思います。

それに対して今すぐにでも矯正すべきであるし修正できるのがスローインだと思います。

ヨーロッパのサッカーを見れば
相手がスローインを入れる際にはボールサイドに人を集めてしっかりとマークし
自由を与えずにその場でのボール回収に努めたら、
反対に自らが投げる際には素早くパスを繋いで急いで手薄な逆サイドに展開し
ドリブルでボールを素早く前方に運んでいます。

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日本の場合はスローインする相手をフリーで受けさせてしまうこともあれば
自ら投げ入れるに当たっては反対サイドに展開させる意図を持たずに
ボールコントロールしきれず前方に蹴り出すだけとなる事も多いだけに留まらず、
ピンチを招く場面が度々散見されます。

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相手のゴールに近い位置からキックでリスタートできるコーナーキックと違って
手で投げるスローインは日本ではあまり重要視されていないように感じますが、
投げる位置が相手ゴールに近ければチャンスを生む機会にもなりますし
低い位置であればボールを運ぶ手段となるという点では立派な有効手段でありますから
ディテールまで詰めて改善すべきだと思います。


2点のリードをされてゴールが必要になった日本は
ボールを持てる南野と大島を中心にコロンビアディフェンスを中央から攻略して1点返すと
中島のスーパーゴールによって瞬く間に同点に追いついています。

ゴールに対する期待値が決して高くないからこそ
手倉森監督はこのチームに守備から入って失点しないゲームプランを授けたわけですが、
その守備に耐性がなく失点が止まらない状況からタガを外して攻撃に出た結果
当初の設定からは異なるチームになっているように感じます。

信頼していた守備の崩壊は見込み違いで想定外だったと思いますが
攻撃を担う選手の成長度合いも想定していた以上ではないかと思うところで、
守備から入るゲームプランというリミットを外して試合に臨む必要もあるように思います。






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2016年08月07日

大海を知らずに飛び込んだ蛙

リオ・オリンピック開幕を前に初戦を迎えた手倉森ジャパン。

グループステージを突破するためには
初戦が大きなウェートを占めるとして気合いを入れて臨んだものの、
輸送のトラブルから試合開始直前に現地入りしたナイジェリアを相手に
4ゴール挙げながらも5失点を喫して敗れてしまいました。

初戦から敗れたことによってグループ突破はいきなり厳しく
残りの2試合で確実に結果を出さなければならなくなったわけですが、
次に目を向ける前に5点も献上して敗れた原因を検証していきたいと思います。

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相手よりも1点多く上回れば勝利となるサッカーにおいて
5失点すれば日本は6点以上取らなければ勝てません。

仮に攻撃サッカーでゴールを量産して観客を魅了するチームだったとしても
1試合で6ゴールするのは容易ではありませんから、
まずは自分達がゴールを奪えるよりも少ない失点数に抑えようと考えるはずです。

このリオ世代の代表はこれまでの戦い方からも推測できるように、
過去日本サッカーで輝きを放ってきた高原直泰や大久保嘉人のような
フィニッシュを託せる絶対的なストライカーがおらずゴールに対する期待値が低いため、
できるだけ失点を避けて少ないゴールでも勝てるようにチームが設計されていたと言えます。

それだけに自分達がボールを持って攻撃する事ばかりに囚われることなく
CBの植田や岩波、キャプテン遠藤航を中心にボールを持たなくとも
我慢強く耐える守備ができるというのがこの世代のウリのひとつでもあったと思います。

その売りだった守備はアジア予選の段階から綻びを見せると
トゥーロン国際でも失点を重ねるようになって危惧されたわけですが、
失点に繋がったプレーひとつひとつを見れば相手に崩されたというよりは
日本自らの技術ミスや判断ミスからによるものであったので
エクスキューズを付けていたところもあったように感じます。

自分達の方からミスさえしなければ整えた守備が崩されないだろう、
そう考えられていたところはあったと思います。


ところが、失点に繋がってしまうような致命的なミスを
毎試合のように発生させている現実をどう説明すべきだろうか。

この試合ナイジェリアに献上した失点は5つに上りますが、
その内の大半においてやはり日本自らが犯す守備でのミスが絡んでいます。

例えばナイジェリアに与えた先制点の場面では
相手のウイングの選手に対して日本は藤春が対応するのを中島がヘルプする形で守備をするも
突破を許してシュートを放たれてしまった事がゴールに繋がってしまっています。

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今回に限った事ではありませんが、
日本の場合は2対1の状況を作ると2人共にボールを追いかけてしまうために
ひとつのフェイントで2人が一度に置き去りにされてしまう悪癖を持っています。

2対1を作るという事は応対者にフォローする選手をプラスする事によって
守備をする上での安全性を担保するためのものであり、
日本のボールを奪いに行く人数を増やす守備の仕方は凡そ組織的であると言えるものではありません。

先制された場面においては藤春が相手の背中にぴったり付いて対応しているので
まずは藤春に対応を任せて周りはフォローに回るべきであって、
植田以下最終ラインの選手と遠藤以下2列目の選手がスライド対応し
中島はスローインを入れてきた選手を視界に捉えながら
いつでもフォローできるポジションを取るに留めておくべきだったと思います。

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2対1の数的優位を作って守備をする意味を選手が正しく理解してプレーしない限りは
この類のミスはいつまで経っても無くならないと感じるところで、
日本はチームプレーをする意思は持っているけれども
実際には組織が機能していないのが現実ではないかと思います。


室屋がかぶった2失点目、塩谷が処理を誤った3失点目と4失点目、
大島と藤春の不要なパス交換からGK櫛引の対応により喫した5失点目は
その後のカバーリングが利いていなかった事もさることながら
個々の判断の拙さが招いた失点として括れると思います。

自分がクリアする、自分がボールをキープするハッキリとしたプレーではなく
曖昧なプレーを選択したために生じたミスであり、
その根底に流れていたのは国際試合の経験の乏しさだったと感じます。

この世代はアジアで負けてしまっていたために十分に世界を体感していないと言われていますが、
緩いところがあれば確実に衝いてくるのが世界レベルであるという事を
既に日常の段階から経験している南野以外は
本番で体感したというのが正直なところではないかと思います。

不足している経験を補う存在であるはずのオーバーエイジも塩谷と藤春は国際経験が十分ではなく、
それなりにA代表の経験もしている興梠だけが
最前線でチームに落ち着きを与えていたように感じます。

選手を選択する手倉森監督にもエクスキューズがあったとは思いますが、
ミケルが中盤でどっしりと落ち着きを与えていたナイジェリアと比較すると
日本は年長者の経験をチームに落とし込めていない状況があったように思うところで、
守備組織の機能性の問題と共にずるずると失点を重ねる事となった原因のひとつだったように感じます。


結果論でものを言えば事前の想定の甘さは拭えませんが、
それはそれとしてしっかりと受け止めて残りの試合に進むべきだと思います。

初戦が大事であると言い聞かせてきただけに選手は落胆していると思いますが、
ブラジルW杯でも初戦で日本を破ったコートジボワールが結局グループ敗退し
2試合を終えて1敗1分けだったギリシャがグループを突破したように
初戦の結果が反映されない結末が導き出される事は幾らでもありますから、
まだ3分の2が残っている事からしたら諦める必要もなければ無駄に焦る必要もないと思います。

ただし、一度経験したからには曖昧だった部分は変える必要があると思いますし、
守備をする上で十分でなかった組織としての機能性は上げる必要はあります。

組織を機能させることでスペースを支配し
積極的に相手から選択肢を奪う能動的な守備姿勢への改善は望まれるところで、
修正を働かせることが状況を一変させるための鍵になると思います。






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