2016年01月13日

「解任ダービー」はドロー ローマの長過ぎた休日


勝ち切れない試合が続いて思うように勝ち点が伸びていかないローマと
春の訪れがまだ遠くに感じるミランによる試合。

お互いに成績不振の状況から指揮官の「解任ダービー」とも揶揄された対戦でしたが、
1−1のドローに終わった事で
うまくもまずくもない両チームの現状を表すかのような微妙な結果となったように感じます。

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ボールを持つ意図を示したローマと示せなかったミラン

試合は開始早々にセットプレーから先制したローマが主導権を握る展開になります。

ローマにしてもミランにしても試合開始段階から高い位置でプレッシャーをかけていましたので
先制する展開はローマだけでなくミランにも作れたはずですが、
相手からのプレッシャーを受ける状況にありながらも
ボールを持つという事の意味を見失わなかったかどうかというところで
両チームに違いが生じたように感じます。

相手からのプレッシャーを受けながらボールを持つに当たって、
ローマは後ろでボールを動かしたら
両サイドのウイングが下がってボールを受ける動きで背後にスペースを作ると、
そのスペース目がけてボールを運ぶために
できるだけパスのスピードを速くしてワンタッチでのプレーをしていますから、
プレッシャーをかけるミランにとってはボールを奪う的が絞りにくくなっています。

それに対してミランはまずボールを持った時に単純なパスをミスしてしまっている事に加えて、
ウイングが下がってボールを受けたら
チームとして背後にできたスペースを衝く意識が希薄であるため
ボールを受けたウイングがプレッシャーを背負う形となってしまって前が詰まってしまっています。

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そういうところからも試合の序盤においては
ボールを持つ意図を感じる事ができたのはローマの方だったと思います。

ハイプレッシャーをかけ合う展開の中ボールを繋いで運ぼうとした時に
逆にボールを運べないという事は危険な位置でボールを失う事を意味しますので、
高い位置でボールを奪ってチャンスメイクできればリズムも掴みやすくなります。

ローマの先制点はセットプレーであり
そのセットプレーにおけるミランの守備に問題があったのは事実だと思いますが、
ボールを持って運ぶところで意図を示せていたローマと示せなかったミランの姿からすれば
序盤の段階で勢いに差ができスコアにも差がついたというのは自然な流れであったようにも感じます。


プレスをかけるべきかスペースを消すべきか 迷宮の入り口に立ったローマ

ビルドアップ部分がうまくいかなければボールを持っての論理性は放棄せざるを得ず、
運ぶ手段を50/50のロングフィードに変えるか
ボールの保持は諦めてスペースの支配に切り替えるべきです。

しかしながら、ミランは早々にリードされてしまったために自ら簡単にボールを手放せなかったので
ロングフィードを交えつつショートパスで繋いで運ぶ事を試みます。

布陣が4−3−3のローマは
ハイプレッシャーをかける時にはワントップのウマルに加えて
インサイドからナインゴランかピアニッチのどちらか片方が前に出て
チェイサーの数を増やして圧力を強めています。

ただし、闇雲にインサイドの選手が最前線に出れば中盤にスペースを作ってしまいますので、
ローマのインサイドの選手が前方に出てくる際には
マーク対象であるミランのインサイドの選手へのコースを消した上で前に出てきます。

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そうして前からの圧力を強められている内はローマのプレスに問題はなかったのですが、
ミランの2人のセンターハーフがローマのインサイドの選手に対応を迫りつつ
前線からルイス・アドリアーノを下げたり
サイドの本田やボナベントゥーラが中に絞りをかけるなどして
ミランが中央に人数を割くようになるとローマのインサイドは数的に対応が利かなくなります。

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ミランがインサイドに人数をかける事で
マンマークでは対応できないローマはゾーンで対応し始めますので、
ローマのインサイドの選手はスペースを消そうとして前に出るのを自重します。

しかし、インサイドから前方に出て行かなければ
ローマのチェイサーはワントップのウマルだけとなりますので
プレッシャーが弱まる事でボールを持つミランのセンターバックには
時間とスペースが与えられる事になります。

時間とスペースを得たミランのセンターバックは自らドリブルで持ち上がる、
または狙いを定めてローマの選手間にクサビの縦パスを入れるといったように
プレーの選択肢が広がる事になりますので、
クサビの縦パスが入ればサイドでは2対1の状況を作ることが可能になりますし、
相手のアンカーの周りにクサビが入れば一気に相手の最終ライン手前まで迫る事ができて
ゴールを奪うための糸口ができます。

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ミランは序盤の攻防ではローマの後塵を拝したとは言え、
前半の途中からはこうして攻撃を繰り出すまでに至っていましたので
決して前半からローマの一方的な展開にさせていたわけではなかったと思います。


実を結んだミランの地道なGKへのチェイシング作業

ボールを奪う位置を下げたためにつけ込まれる格好にもなったローマは
もう一度ボールを奪う位置を上げるべく高い位置からプレッシャーをかけ始めます。

しかしながら、ローマのプレスのかけ方は既にミランも分かっていますので、
GKも使って後ろで数的優位を作りながら幅と人数を確保してじっくりとボールを動かしたり、
プレスの餌食とならないようにロングフィードを蹴ってボールを運びますから
ローマのプレスは序盤のようには嵌らないということになります。

ただし、ミランの足元の不安定さが試合の中で改善するわけではありませんし
ロングフィードのボールもマイボールとなる確率は半々なので、
ローマのプレスの餌食にはならなかったにしても
それがミランにとって効果的にボールを運ぶ事に繋がるとは限らず、
ボールがローマへと渡る事となれば
ミランはリードされているのでボールを奪い返す事を考えなければなりません。

ミランがボールを奪い返すに当たって、試合開始序盤から継続して行っていたのが
ローマのGKにまでしつこく追いかけるチェイシングだったと思います。

基本的にミランは早い時間帯からビハインドを負っている状況だったので
ボールを奪い返すという観点からGKへのチェイスを続けていたのだと思いますが、
ローマがボールをキープするためにGKのところにまで戻した際に
ミランは最前線ではGKまでプレッシャーかけながら最後方ではディフェンスラインを上げて
ローマのエリアを狭めてボールを奪いやすくしていました。

ラインを高く設定するために
エリアを狭めながらもローマにボールをキープされてしまうと
一気に大きく空いたディフェンスラインの背後のスペースへとボールを出されて
カウンターの脅威に晒されるデメリットはありますが、
相手GKに対してチェイシングをかける事で
ボールを奪う状況を作り出すという意味ではその始点として有効であったと思います。

そのミランの姿勢が実ったのが後半立ち上がりの同点の場面で、
GKまで追いかけて蹴らせたボールを跳ね返して
ハーフウェイでセカンドを拾う事によってカウンターのような状況を作り出すと
最後は本田からのクロスをファーサイドでクツカが頭で決めています。

ミランはこれまでも攻撃の機能性という部分では相変わらずですので
相手の守備が整わない隙を突く形で攻撃するのは理に適っていたと思いますし、
その整わない状況を作り出すスイッチとして
GKまでチェイシングかける事は役立っていたと思います。

GKまでチェイシングをかける事はその効果を体感できる時ばかりでなく
大半においては無意味なものとして徒労に終わる事が多いわけですが、
体力的にもモチベーション的にもキツいものがある中
それをし続けた事によってミランは状況の打開に繋げる事ができたと思います。

その姿勢はピッチの外でも教訓にすべきのように感じますが
ここではそれ以上言うのは止めておきます。


迷走するローマを仕留められなかったミラン

同点に追いつかれたローマとしてはもう一度突き放したいですから
ボールを奪う位置を上げて高い位置からプレッシャーをかけようとします。

ただし、前半と同じプレッシャーのかけ方をしてしまうと嵌らないですから、
後半はインサイドハーフが前に出たら
両サイドのウイングが中を閉める形でインサイドにできる穴をカバーして
ボールへのプレッシャーを強めています。

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しかしながら、同点に追いついて意気上がるミランは精神的な余裕が生まれたためか、
ローマのウイングが中に絞ってインサイドを埋めるために
代わって反対サイドにできるスペースにボールを運ぶなど
視野を広く保ってボールを動かしていましたので
やはりローマの前プレは嵌らないという事になります。

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そこでローマが考えなくてはならなかったのが、
ローマのセンターバックとミランの2トップ
並びにミランの両サイドハーフとローマの両サイドバックの数的関係が
2対2もしくは4対4の同数の状況である事と、
プレッシングを機能的にかけるためにディフェンスラインを上げている事です。

そのような状況である事から、ローマはプレスを外されるとなると
ミランにスペースに縦パスを出されるだけで一気にピンチを招く事になります。

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そうした状況が危険であると判断したローマは
ハイプレッシャーを諦めて前後の距離を縮めてスペースを消そうとしますが、
そうすればまたミランは後ろで時間とスペースを得られますので
そのまま後ろから持ち上がってきては縦パスを入れてくるようになり
ミランとのイタチごっこになります。

押しても引いてもダメな状況になり追い詰められるローマは
守備をする時ばかりかボールを持った時にも悪影響が出てきて
何でもないところでパスミスを犯したりボールコントロール仕切れないなど凡ミスをして
ミランに高い位置でボールを奪われてショートカウンターを受けたり、
またインサイドの混乱が解決しない事で
ミランにインサイドにクサビを打たれては危険な場面まで作られてしまっています。

この同点に追いつかれてからの時間帯のローマは
浮き足立っていて冷静さを欠いているようにも見えましたので
ミランにとっては逆転するチャンスだったわけですが、
カウンターからクツカ、バッカと続けて決定機を迎えるも決められずにその機会を逸します。

ローマとしては何とかピッチの中に落ち着きを与えるべく
この試合から復帰したトッティを投入するとその際に再び守備の仕方に修正を施します。

アンカーのデ・ロッシの位置を調整して上げて中盤の中央をカバーする事で
インサイドのナインゴランやピャニッチが躊躇なく前に出てプレスをかけられる態勢を作ります。

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そのように修正する事でローマはようやく守備での混乱が収まり
落ち着きを取り戻したように感じます。

落ち着きを取り戻した事が攻撃にも波及してその後はローマもミランゴールに迫っていましたが、
ローマにとっては突き放せなかったという印象よりも
逆転されないで良かったという感覚の方が強く残る試合だったのではないかと思います。






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posted by ピーター・ジョソソン at 00:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | イタリア セリエA | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月18日

違いは攻撃における連動性の有無と状況判断 明暗分けたミラノダービー


共に今オフに積極的な補強に動いたミランとインテルのミラノ勢。

辛勝ながらも開幕から連勝スタートを切ったインテルに対して
ミランは開幕戦から退場者を出してフィオレンティーナに完敗したわけですが、
前節にはエンポリに競り勝ち面目は保ったように感じます。

開幕直後であるため多くの新戦力の見極めをしている最中ではあると思いますが、
ダービーマッチですからお互いに負けられなかったところだったと思います。

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ミラノのミラーゲーム

インテルもミランも中盤をダイヤモンド型にした4−4−2で試合に臨んでいますが、
この布陣の特徴としてはインサイドに人を集めやすくて
センターポジションの選手に対してはプレッシャーをかけやすいけれども、
明確にサイドポジションの選手を配置しないために
アウトサイドにはプレッシャーをかけにくいという構造的な問題があります。

そのため2トップとトップ下で相手のセンターバックとアンカーに対して数的同数にすると
相手のサイドバックにはマークが及ばなくなりますので、
そこにインサイドハーフの選手が前に出てプレッシャーをかければ
今度は相手のインサイドハーフがフリーになってしまいます。

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フリーになってしまった相手のインサイドハーフをマークしようとしたら
周りの選手が自分のマークを棄ててマークに付く必要がありますが、
そうして自らのマークを棄ててしまえば
やはり本来マークすべきだった選手の箇所が空いてしまいます。

中盤がダイヤモンド型の相手に対して前からボールを奪いに行こうとすると
そういった構造的な問題を抱える布陣ですから、
お互いにボールを持ったら序盤から意図してまずはアウトサイドへとボールを送って
インサイドハーフを外に引き出そうとしていたように思います。

アウトサイドに対応しながらフリーになる選手を作らないようにカバーリングを機能させるためには
選手間の距離をコンパクトに保つ事が求められますから、
お互いにディフェンスラインは高くなっています。

そのために背後には大きくスペースを空ける事になりますから、
序盤はお互いに前を向いてボールを持てたらすぐに
相手のディフェンスラインの背後へとロングパスを供給してチャンスを作っていました。


攻撃に連動性を与えたインテル

お互いに計算されたビルドアップによってボールを運ぶという事になると
なかなか前からプレッシャーをかけるリスクは取れないですから、
インテルもミランも共に前からのプレッシングをし過ぎずに
徐々に引く対応を取る事になります。

そうして相手のディフェンスが引いた時に違いを作ったのが
インテルのヨヴェッティッチだったと思います。

ヨヴェティッチのポジションは2トップの一角になりますが、
相棒のイカルディがミランの最終ラインの前後に張り付いて攻撃の基準点を作るのに対して
ヨヴェティッチはポジションに縛られずに場所を移動します。

ヨヴェティッチが最前線から下がった位置でボールを受ければ
ミランのアンカーであるモントリーボに対してトップ下のペリシッチと共に数的優位を作れますし、
アウトサイドに流れればサイドにおける2対2の数的同数の関係を変えられます。

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特にヨヴェティッチがサイドに流れた時には
アンカーのモントリーボはバイタルスペースを埋める都合上サイドには流れにくいですから
ミランはできる限りトップ下の本田を守備に戻す形で
ヨヴェティッチ対策をしていたように思いますが、
本田にはインテルのアンカーのメロへのマークもありましたから
後ろからのマークになってイエローを貰ったように難しいタスクになっていたように思います。

また、ヨヴェティッチがサイドで攻撃の基点を作れた時には
ミランディフェンスはアウトサイドに引っ張られる事になりますので、
引っ張り出された選手と中央に残る選手との間にスペースを作ってしまいます。

そうした時にインテルは
トップ下のペリシッチやグアリンがスペースにフリーランニングをかけていますから、
ミランのインサイドの選手は対応を余儀なくされてマークに付いていった結果
バイタルエリアにはスペースができます。

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ランニングがデコイランの形になってバイタルが空けば
ヨヴェティッチ自らカットインドリブルで入ってきたり
グアリンやコンドグビアといったインサイドの選手がスペースを使えますから、
必ずしも全てにおいて当てはまっていたわけではないものの
インテルの攻撃は整備がされていて理に適っていたように感じます。


連動性に乏しく個での打開に期待するミラン

ミランもインテルも布陣が同じでしたから
やはりミランがアウトサイドで基点を作れた時にはインテルもまたスペースを埋めきれず、
またインテルも寄せが遅いところがありましたから、
相手のディフェンスをサイドに引っ張っればインサイドの選手との間にはスペースができています。

特に守備でのポジショニングに問題のあるグアリンのサイドでは
その機会は頻繁に訪れています。

しかしながら、ミランはスペースが空いていても衝けていない場面が多いですし、
本田が何度かスペースに入って行っても使わなかったり
タイミングを合わせられないなどしてデコイランにもなっていませんでした。

本田自身もスペースを衝かずに中央で待ち構える事もありましたし
中央でボールを受けた時にプレーが遅いという問題もあったとは思いますが、
インテルと比較してミランの攻撃には連動は感じられず
本田の能力に疑問を抱く以前にチームとして如何なものかと思います。

攻撃が連動していないからプレーがひとつひとつ独立してしまっていて
ファイナルサードでの崩しの場面で
個人の能力での打開を期待せざるを得ないのが今のミランであるように感じますし、
そういった状況で本田に能力の発揮を求めても得られるメリットは少ないと感じます。


導かれた結果(一部加筆・修正してあります)

スコアレスで折り返した後半に先制したのはインテルです。

インテルは危険なボール回しではあったものの深い位置からビルドアップすると
これにミランが食いつきながらもボールを奪えず、
ミランのプレッシングを外したインテルがリトリートするミラン陣内に侵入すると
バイタルエリアでスペースと時間を得たグアリンがミドルシュートを決めます。

インテルはGKのハンダノビッチを組み込む形で人数を増やしてビルドアップしていていましたが、
ミランはインテルのボール回しが怪しくなると前からボールを取ろうとして
次々とプレッシングをかけてしまった結果外されてしまっています。

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本来ボナベントゥーラのマーク対象はインテルのインサイドハーフか右のサイドバックなので
インテルのセンターバックにプレッシングに行くのであれば
それなりにボールを奪える予測が立つ事だったり
周りがパスコースを消している事が必要だったと思います。

しかしながら、ポジショニングを下げてきたサントンに対して
アンカーのモントリーヴォもサイドバックのデ・シーリョも距離を開けてしまっていましたから
周りがパスコースを消せていないわけです。

試合開始早々からインサイドに強くプレッシャーをかければ
アウトサイドにはプレッシャーが及びにくい状況が転がっていましたから、
ボナベントゥーラは細心の注意を払うべきで判断を誤ったと感じます。

プレッシングを外してボールを運んだインテルは
やはりここでもイカルディが外に逃げるデコイランでセンターバックを引きつけて
グアリンがシュートを打てるスペースを空けています。

そうして先制したインテルに対してミランはというと、
実際にはインテルの前からのプレッシングを外している場面は前半からあります。

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ただし、ミランがプレッシングを外した時というのは
インテルのようにサイドバックがボールを運ぶのではなく
インサイドハーフが運ぶ形となっていましたから、
インテルの守備の人数が1枚多く足りていた事はあります。

しかし、ミランの攻撃は
本田がジェズズの裏にランニングをしてインテルのセンターバックを引きつけた事で
小さいながらもできた両センターバックの間のスペースに対して
ルイス・アドリアーノとバッカの2トップが共に使おうとしてしまっています。

お互いのチャンスの場面を見比べれば、チームという集団を機能させるために
個人が何をすべきかを理解し判断できていたインテルの攻撃に対して
ミランはそこの部分が足りておらず攻撃が非効率であったと思います。

ビハインドを追う展開となったミランはその後バロテッリを投入して
強烈なミドルシュートでそれまでの時間帯以上にゴールは脅かしていますが、
もちろん攻撃に連動性は無くバラバラです。

攻撃に連動性を与えつつあるインテルに対して
ミランの攻撃が今後も非効率なまま個人能力への依存ばかりを強めるのであれば、、
今シーズンのミラノ勢は明暗を分けるのではないかと感じます。






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posted by ピーター・ジョソソン at 17:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | イタリア セリエA | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月11日

タクトを握った本田 ミランに甦ったチームワーク


どこまでチームが崩壊するのかも見えない底なし沼に陥っているミラン。

今節の相手は2位のローマでしたから当然厳しい試合になるだろうと予想されましたが、
意外にもミランが立て直して勝利を収めました。

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これまで酷いパフォーマンスに終始していたミランでしたが、
ローマとの試合で豹変させたのはボールを持った時のチームとしての機能性です。

ボールを握ろうとするならばスムーズにボールを動かすために
選手間で距離やタイミングが共有されているべきですが、
これまでのミラン、特に今年に入ってからのミランにはそういったものは見られませんでした。

ゴールを取れるジェレミー・メネズの個人能力への依存を強めたために
メネズの独特なリズムとテンポを共有することは難しく、
結果的に個人主義の道へと歩を進めているかのようでチームはバラバラにも見えました。

そのメネズがジェノア戦で退場となり4試合出場停止を受けて
メネズを外したチームを作る必要に迫られた事はミランにとっては吉だったのかもしれません。

この日のミランの布陣は4−3−3で、ボールを持ったら
下がってくるウイングポジションの本田とボナベントゥーラに縦パスを入れて
攻撃のスイッチを入れます。

本田とボナベントゥーラにはマーカーの相手のサイドバックが付いてくるため
その背後にはスペースができるので
できたスペースに入り込むという形でボールを運ぶというのは
この日に限らずこれまでもやってきていたとは思います。

ただし、この試合では単純にそこだけの連係に留まっていませんでした。

例えば、本田が下がって縦パスを受けたら空くスペースにデストロが流れ、
デストロが空けたところにはボナベントゥーラが流れる事によって
相手のセンターバックとサイドバックは片側に寄せられますから
反対のサイドにスペースができてきます。

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そうして複数の選手が合理的に連動してスペースを作っていけばボールは動かしやすいですし、
ボールが動くとなると相手も動かされるので守備に綻びも出てきます。

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そのように縦パスをスイッチにしてどんどん動きを連ねて
相手に対応を迫っていたのがこの日のミランだったと言えます。

試合の序盤に反対サイドのアントネッリの反応が鈍いと見ると
ポジショニングを上げる事を促していたように
この攻撃のタクトを握っていたのは本田だったように思います。

メネズと違って本田は相手に合わせる事もできますし
何よりリズムは良くも悪くも一般的ですから、
その本田の周りにポーリ、ファン・ヒンケル、ボナベントゥーラと
チームのためを第一に考えて動ける選手を配置した事で連動が生まれました。

こうしたミランのチームとしての連動は
その形こそ違えど昨年末の好調だった時期に見られたものですし、
この試合では2位のローマにも勝利したわけです。

中身だけでなく結果からも
ミランが進むべき方向がハッキリと見えたのではないかと思います。


それに対してローマは攻撃が単調でした。

ジェルビーニョ、ドゥンビア、イバルボの3トップが
ポジションを入れ替わって的を絞らせないという事はありましたが、
基本的な攻撃は右のウイングを餌にして
右サイドバックのフロレンツィが追い越してくるというものです。

ウイングが下がってきて入れ替わってサイドバックが上がってくる

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ウイングがワイドに開いてサイドバックが中を衝いてくる

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ウイングとサイドバック共にディフェンスの裏を衝くというものなど

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バリエーションこそ幾つかありましたが
フロレンツィが飛び出してくるのは変わりないので対応は難しくなく、
良かった時のローマと比較すると物足りなかったです。

やはりローマというと最前線に配置されたトッティが下がってボールを受けてゲームメイクをし、
トッティがポジショニングを下げた事によって空けたスペースを
ウイングやインサイドハーフが使うという0トップシステムを長らく使ってきています。

しかしながら、トッティがベンチスタートとなった事によって
下がってゲームを作る選手が不在になってしまったために、
ミランの先制点の起点となったように
ボールを握った時に問題を抱えていたように感じます。

表で動かせないが故に
フロレンツィが相手の背後への飛び出しを繰り返す事に繋がっているようで
ローマの攻撃は偏っていました。

スムーズにボールを動かせず何をしたいのかが分からないのがミランで
ローマは変化には乏しいけれど安定したボール運びがあったわけですから、
この試合での両チームの状況はこれまでとは反対で、狐につままれたようでした。






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posted by ピーター・ジョソソン at 17:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | イタリア セリエA | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする