2016年07月11日

消極的な守備姿勢が招いた苦戦

2ndステージ初戦の前節には試合終盤までリードする展開ながら
アディショナルタイムに2失点して逆転負けする失態を演じてしまったFC東京と、
勝ち点を稼げる頼みのクリスティアーノを失い厳しい状況に置かれ始めたヴァンフォーレ甲府。

前節の敗戦を忘れるような勝利が欲しかった両チームによる試合は
力で勝るホームのFC東京が1−0で甲府を競り落とす結果となっています。

ロースコアの試合は引き締まった中身を想像させますが
個人的にはFC東京がコントロールし損ねた試合だったように感じますので、
そのような試合展開になった原因を探ってみたいと思います。

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FC東京も甲府も前節に複数失点して敗れているため
お互いにできるだけ失点しないように守備への意識は高めていたように思います。

特にアウェイでもある甲府は
得点源のクリスティアーノを欠いてしまった以上更に得点が望めない状況から
まずは失点しない事を念頭に置いて試合に入ったのではないかと推測されるところで、
スコアレスの状況をキープしてどこかのタイミングでワンチャン狙うというのが
チームとしての戦い方だったと思います。

ところが、試合開始早々にコーナーキックから失点をしまったために
早々にゲームプランが崩れてしまったわけで、
甲府は勝利という出口への道をいきなり閉ざされてしまったと言えます。

それだけに先制できたFC東京は試合をイージーなものにもできたはずですが
追加点どころかあわや追いつかれて不思議ない状況を作ってしまっているように
試合は簡単なものにならなかったというのが実際のところだと思います。


甲府のゲームプランからしても十分なアドバンテージになるはずだった先制点が
そうならなかったひとつの要因として、
甲府が先制されてからもバランスを崩さなかった事があるかと思います。

1点を取り返すために攻撃に注力すれば守備のオーガナイズの維持が難しくなって
ディフェンスの強度は保ちにくくなくなりますが、
この試合の甲府は失点してからもオーガナイズを維持し続ける事を優先したため
先制前と先制後で状況に大きな変化が生まれなかったように思います。

おそらく甲府は1点取られたら取り返す殴り合い上等のサッカーをしてしまえば
余計に勝ち目がなくなるというところで
先制されてもなお守備のバランスを崩さない姿勢を取ったものと思われます。

しかし、そうであるならばFC東京はボールを甲府陣内に閉じ込めるような
ポゼッションを高めたサッカーを展開できたはずですが、
実際には前からプレッシャーをかけながらも甲府から自由を奪いきれず
最終的にリトリートして引く対応をしています。

一旦ハーフウェイ付近まで引くFC東京の守備は4−4−2の陣形でブロックを作ると
前線のムリキを筆頭として甲府のボールホルダーに積極的にプレッシャーをかけないため、
甲府は後方でボールを持つ際には時間を与えられる事から
そこから前方にフィードを出す事によってボールを進めてきます。

甲府は前線の1トップ2シャドーに加えて
両サイドのウイングバックがポジショニングを上げるため
4バックのFC東京に対して数的優位を作りやすく、
サイドでフリーとなりやすいウイングバックに通したフィードから攻撃を仕掛けていきます。

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後方からフィードを出せば後ろには人が残るので
リスク管理しながら攻撃できるこのロングフィードが甲府の攻撃の生命線であり、
後半にはFC東京の守備が間延びするところを衝いてあわや同点の場面を作っています。

おそらくそれで同点となっていれば
プランAを早々に失った甲府にとっては最高に近い結果だったはずですから、
相手にとって致命的である先制点を挙げておきながら
試合をコントロールできなかったFC東京の戦い方は問題があったと感じます。


FC東京が試合をコントロールしきれなかった原因は
先制点を挙げた事を餌にして追加点を奪えなかった事にあると思いますが、
追加点を奪えなかったその前段階として守備の仕方の問題があるように思います。

特に前半、ボールを甲府陣内に閉じ込めたいFC東京には
高い位置でボールを回収するための準備が足りていなかったのは明白です。

高い位置でボールを奪うのであれば相手に時間を与えない事が必要であるので
ボールが受け手の足元に入った瞬間すぐに寄せられるように相手選手に近い距離であったり
相手を囲い込めるように味方同士が近い距離である事が求められます。

ポゼッションを高めるFC東京はサイドバックの位置を上げて横幅を作ると
サイドハーフを甲府のブロックの中に送り込んでそれぞれの距離を近くしており
味方同士の距離は近くなっていたと言えます。

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しかし、それは攻撃においてコンビネーションを発動するためであって
守備のためであったかと言えばそうではなかったように感じます。

相手選手にすぐに寄せられる位置を想定して予めポジショニングを取っていないため
寄せるのにも時間がかかって甲府に自由を与えた結果プレッシャーから逃げられて
リトリートを選択するしかなくなっているわけです。

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ボランチが攻撃の起点となりそうな相手選手の近くに予めポジショニングを取り、
周囲もすぐにコースを消しながらプレッシャーをかけて相手のプレーの選択肢を狭めれば
高い位置でボールを奪い返せて再び攻撃へと移れるはずです。

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リトリートするのが悪い判断ではないけれども
できるだけ自陣ゴールから遠ざかった位置で守備をするためにはそれまでにやる事があるはずで、
FC東京の相手陣内にボールを閉じ込める努力は足りていなかったように思います。

また、引いて対応するにしてもロングフィードの起点を潰すような対応をしないため、
甲府がタイミングを合わせて蹴ってくると
位置を上げてくるウイングバックによる数的不利の状況を解決できない事態に陥るわけで、
FC東京の消極的な守備姿勢が試合のコントロールを失う原因だったように感じます。


前半に何度か河野がクリエイティブな仕事をしていましたし
不発ではあったもののムリキには怖さがありますから
チャンスメイクの回数を増やせばFC東京のゴールへの期待値は上がるはずです。

その回数を増やすためにはその場でボールを回収するのが望ましく、
回収作業の効率が上がっていれば追加点への期待も上がって
試合をコントロールすることにも繋がったのではないかと思います。

FC東京の攻撃が長々と続けば
甲府もいつかはやられてしまう危機感を持って反撃に移る事を考えるでしょうから、
相手が前に出てこないと考えるよりも前に出たくなるように
積極的に守備をする事がFC東京には必要に感じます。






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posted by ピーター・ジョソソン at 16:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | Jリーグ・天皇杯 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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